『 はなのすきなうし ( 岩波の子どもの本 ) 』
マンローリーフ : 文
ロバート・ローソン : 絵 光吉 夏弥 : 訳
岩波書店 640 yen (+ tax)
原書は1936年に発表された『 The Story of Ferdinand 』スペインに住む、フェルジナンドというちいさな牛がおはなしの主人公。牧場で共に育った多くの仲間たちは、幼い頃からいつか強い闘牛になる日を夢見て過ごしていました。そんな中、お気に入りのコルクの木陰で、しずかにすわって花の香りをかぐのが大好きな牛が一頭。のんびりとすくすくと大きく育ったフェルジナンドは、ある日マドリードの闘牛場へ連れて行かれてしまいます。そこで彼がとった行動。それは誰もが想像だにしない出来事でした。他者と競い合う事ではなく、自分自身に正直である事。平和的で芯のあるしなやかな空気感を纏ったちいさな彼の行動に好意を抱く子どもは少なくないのではないでしょうか。
マンロー・リーフ / Munro Leaf (1905-1976)
アメリカ・メリーランド州生まれ。The University of Maryland 卒業後、Harvard University 修士号取得。出版社で編集者として働いていた彼が、友人ロバート・ローソンのために執筆した 『 The Story of Ferdinand 』 は60以上の言語に翻訳され、ウォルト・ディズニーによって映画化されたアニメーションは1938年のアカデミー賞受賞作品。
主な作品 『 はなのすきなうし 』The Story of Ferdinand. 1936(岩波書店)『 おかのうえのギリス 』Wee Gillis. 1938(岩波書店)他