Tanikawa Shuntaro

 

『 あさ / 朝 』 

谷川俊太郎  : ぶん  吉村 和敏 : しゃしん

アリス館 1,300  yen  (+ tax) 

 


  

あさ、めがさめたら、いちばんになにをする?
ぼくはカーテンをあける。おひさまがさしこむと、きもちがいい。
でもくもっていても、あめがふっていても、もんくはいわないようにしてる。
だって、よがあけて、あさがくるっていうのは、
あたりまえのようでいて、じつは、すごくすてきなことだから。

 

たにかわしゅんたろう ・ あとがきより

 

 


 

『 あさ / 朝 』 

谷川俊太郎  : ぶん  吉村 和敏 : しゃしん

アリス館 1,300  yen  (+ tax) 

 

 

 

100年前ぼくはここにいなかった
100年後ぼくはここにいないだろう
あたり前な所のようでいて
地上はきっと思いがけない場所なんだ  

 

 

100年後も続いているような仕事につきたいとちいさな頃から思っていました。それは、職人と呼ばれるような人だったり、博物館や美術館ではたらく人だったり。古くからある建造物にとても魅かれていたし、染物や陶芸、織物といった伝統工芸的なものにも憧れを抱くような子どもだったと思います。今でも、永く残る何かを伝える仕事に対する憧れはなくなりそうにありません。歳を重ねるほどに、遽だしく過ぎる日々の中で、時間の重みを感じずにはいられません。なので、この詩を読む度に、いつも感慨深さがこみあげます。限られた時間の中で出来る限り挑戦をしていたい。ちいさな頃に心に描いていたおとなにはまだまだ程遠いような気がするこの頃です。

 

 

 

『 ゆう  /  夕 』 

谷川俊太郎  : ぶん  吉村 和敏 : しゃしん

アリス館 1,300  yen  (+ tax) 

 

 

ひさま まってて もうちょっと あそんでいたいから 

どこか とおくのくにでは だれかが おはようっていってる 

 

姉妹版として出版されているこちらも、また違った雰囲気の素敵な写真詩集。『あさ』と『ゆう』2冊揃えて書架にそっと並べておきたい作品です。気になられた方は、是非。

 

  



谷川俊太郎 (1931- )
東京生まれ。詩人。エッセイ、童話、脚本、翻訳など幅広く活躍。
『もこもこもこ』(文研出版)『みみをすます』(福音館書店)『いちねんせい』(小学館)他多数

吉村和敏 (1967- )
長野県松本市生まれ。写真家。20歳でプロの写真家を目指し、単身カナダへ渡る。プリンス・エドワード島に魅せられ写真を撮り続ける。

 

 

朝のリレー

 

カムチャッカの若者が きりんの夢を見ているとき 

メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている 

ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき 

ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウインクする 

この地球では いつもどこかで朝がはじまっている

 

 

近ごろすっかりと奈良も国際的な観光都市へと移り変わっている様子。お店にも、様々な国の方が訪ねてくださいます。アジアは勿論、ヨーロッパ、アメリカ、南米、オーストラリア、彼方此方へ飛び立っていった絵本たち。そんな事を考えると、この詩がよりいっそう心に響いてきます。どこへいった絵本たちも、みんな大切にしてもらえているといいなと思います。

 

 

 

『 RINGCARDS あいうえお 』 

戸田デザイン研究室 

2,000 yen (+ tax)